単身赴任自宅は一応ノルウェー南部の山の中にある。ここでうちの相方と愛犬は生活している。私も10月までは一緒に生活していた。ところがある相方の一言から逆単身赴任生活を送ることになったのである。相方は超、超自然大好き人間だ。 かの、アムンゼンやナンセンがトレーニングをしたという山の中で冬場1ヶ月山小屋生活を1人でした事があるそうな。 去年の春も『雪が溶けるのを見に行く』と山の中へ2ヶ月。 そして今年の夏ポツリと 『一生のうち一度でいいからフィンマルクへ住みたい』 おそらく知り合いの女性が旦那を置いて子供と5人バーレヴォグ(Berlevaag)という北の北の北へ行ったのを聞いて自分も住んでみたくなったのだ。 相方はサーミの近くに住みたいという夢があったようである。 サーミに作ってもらったトナカイのコートを持っていてアイスフィッシングへ行く時これを着る。 気分はまさにサーミ! 彼はカラショクやキルケネス辺りのことを言っていたのだろうが、これらの町で手に職のない私が仕事を探せるのか? 結論としてノーと言わざるをえないだろう。 言葉のハンデはやはり大きい。 そこで(半分は冗談で)アルタかトロムソなら考えてもいい、と言うとすぐさま仕事が出来そうか住むとこはありそうかなどチェックし始めた。 1年かけてゆっくり計画をと思っていた私達だがある会社から「来年から始まる研修に参加できる」と言われ急遽予定を変更し私だけがまずこの町で1人暮らしを始めることになった。 そうするとどうだろう、ちょっとの間だけだと考えていた話が 「もし仕事が上手くいくようなら今の家は引き払ってこっちで住もう!」といい始めたのだ。 はっきり言って田舎の排他的な人間関係に飽き飽きしていた私は大賛成した。 私が太陽の出ない2ヶ月間に耐えられ、一定の収入が得られるなら2年後を目処に完全引越しを考えている。 それまで相方が行ったり来たりする生活になるだろう。 そして夏場はずっとこちらに来てあちこち行く計画を立てている。 本当にいい所取りする奴だ。 もうすでに来夏の山小屋は予約済み。本当にホリデーのことになると行動が早いといつもながら感心している。 私は当然ここに残って仕事をしなくてはならない。 いやその前に、まず仕事を得なくてはならない。 アムンゼンとナンセンがトレーニングをした山の二月。 きっと彼らもこんな天気の中で頑張ったんだろう。 |